お父さんのパリ
あてくし、小さいころ何度も”パリ”へ行っておりますの。
ええ、もちろん、父の赴任先
ちょっとした旅行
セーヌ川で海水浴、
以上のどれでもありません。
なぜなら、行ったのは、おフランスのパリではないから!
この記事を読んで、うちの父、けいちゃん(72歳、仮名、持病:水虫)
の言うところのパリを思い出した。
うちは、父一人、姉ひとり、あたしのいわゆる
父子家庭。
なのに、さびしい思いをしなかったのは、
一重に、このけいちゃんのおかげといえる。
さびしいと思う暇がなかったともいう。
けいちゃんは、娘2人を残し嫁に逃げられる
というなかなかにドラマチックな人生を
歩んできたにも関わらず、絵に描いたような
子煩悩で大変明るくそして、へんな父です。
煙草も吸わず、酒は下戸、賭け事もやらず、
趣味は、車という真面目なサラリーマン
が・・・
くだらない冗談と、娘をたばかることに全力をかける
娘としては、かなり迷惑な代物。
あたしが社会人になって冗談の通じないオヤジが多くいることに
心底驚いたというくらい、いつもおやじギャグやくだらないことを繰り返し
一人で、にへらにへらしている奴なのだ。
たとえば、「お父さんは、下戸やん」とか言おうものなら
「それは、どんなカエルや?」とくる
「はぁ?」と聞き返すと
もう満面のえがおで、
「げこ、げこやろうもん」となる。
な
くだらねぇだろ?
な?
腹が立つだろ?
これを日常的にやられてみ
”あ~もうっ!”ってなるから!
で、このけいちゃんに小学校低学年のころやられたのが
”お父さんのパリ”です。
朝、嬉しそうに新聞をよみながらチラシをごそごそやってるなぁ~
と思っていると「あいろ~ちょっと来てみ」と呼ばれる
近寄ってみると、”お父さんパリに行くけん
あいろも行くか?”と言う。
手に持ってるのが、旅行会社のチラシだったり
するもんだから、純真無垢なあいろちゃんは
もぅ!大喜び。
その喜ぶ顔をみながら、
はいっと手渡されたチラシの端。
あたしがチラシの端をとっさにつかむと
あらかじめ切り目を入れてあったらしく
バリっと破れるチラシ・・・・
な?
は?
パリ!
はぁぁぁぁぁ?????
パリっち言ったろうもん!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なぁ~!
腹が立つだろう?
これを”パリ”っと音がするものを手にするたびにやられる
おせんべいだったりお菓子の空き袋だったり・・・・
2-3回やられるうちこちらも学習してきて
「なん?パリ行くん?」と
それらを手にしてる段階で先に言うようになる。
でも、それはそれで、大変嬉しそうだ。
そんなけいちゃん
72歳のいまだに週3日は会社に通い
休みの日にはいろんなところへ出かけている。
携帯メールは絵文字だらけ、(一部意味不明のものあり)
電話をかけてくれば
「ぱぱよぉ~ん、お元気ぃ~」だ!
どうだろう?
けいちゃん。
もう、70を過ぎたことですし
渋いじじぃになってみるっていうのは!
※念のため。
上記カエル等のギャグは、本当にけいちゃん作であって、あたし作ではありませんので、どうか
ひかないでぇ~
by a-iro | 2013-01-30 19:59 | 日々のこと